皆さんは、スーツに合わせる革靴に迷ったり、職場はスーツじゃなくてOKだけどどんな服装をしたら良いか分からない、なんて経験は無いでしょうか?ビジネスシーンでは、スーツスタイル、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルを、TPOに応じて使い分ける必要があります。コーディネートに迷わないように、基本ルールと着こなしのポイントを押さえておきましょう。
ドレスファッションとカジュアルファッション
ドレスとカジュアルの概要
ドレス | カジュアル | |
---|---|---|
影響の大きい国 | イギリス、イタリア、フランス | アメリカ |
ルール | 厳格にルールが決まっている | ルールなしの自由なスタイル |
シーン | 冠婚葬祭/ビジネス | 休日 |
素材感 | 光沢・ツルツル | マット・起毛 |
色 | モノトーン/ダークトーン | 原色系もOK |
柄 | 無地/グレンチェック | チェック/ボーダー/グラフィックデザインなど |
アイテム例 | タキシード/スーツ/ドレス/革靴など | Tシャツ/パーカー/ジーンズ/スニーカーなど |
ドレスとカジュアルの間のグラデーション(ドレス度)
フォーマル | ビジネススーツ | ビジネスカジュアル | オフィスカジュアル | |
---|---|---|---|---|
例 | タキシード | スーツ | ジャケパン | ジャケパン セットアップ |
カラー | モノトーン | ネイビー グレー | – | – |
ドレス度 | 100% | 80% | 70% | 60% |
【ドレス度100%】 フォーマル
フォーマル(礼装、準礼装)とは、ドレスコードの中で最も格式が高く、冠婚葬祭などのイベントで使用されます。メンズであれば、タキシードや燕尾服などが用いられ、白のドレスシャツ、ボウタイ、エナメル革のプレーントゥなどが合わせられます。昼夜で厳格にルールが定められているのが特徴です。一般的なビジネスシーンでは使用しません。
【ドレス度80%】 ビジネススーツ


ビジネススーツの基本ルールと着こなしのポイントを紹介します。フォーマルと違って厳格なルールはありませんが、基本を押さえておかないと場にそぐわない格好になってしまいます。アパレル業界や、ビジネス以外のシーンにおけるスーツはここで記載している限りではありませんが、一般的なビジネスシーンにおいて間違いの無い着こなしをするためには下記ポイントを押さえておいてください。
10個の基本ルール
- ネクタイは必須。シルクが基本
- シャツは白かサックスブルーが基本。ボタンダウンやカッタウェイは避ける
- ジャケットがシングルならノッチドラペル、ダブルならピークドラペル
- スーツの色はネイビーかグレーが基本。黒はフォーマルなので避ける
- ポケットチーフはTVフォールドなど控えめな入れ方にする。無くても良い
- ジャケットはウール素材など光沢のある生地が基本
- ウエストコートはジャケットと生地が揃った物
- トラウザーズはジャケットと生地が揃った物
- 革靴と同じ色のロングホーズを履く。座ったときに肌が見えるのはNG
- 黒の表革内羽根ストレートチップが基本
着こなしのポイント
- サイズ感はジャストフィットにする。タイトすぎても大きすぎてもNG
- ジャケットやウエストコートの一番下のボタンは留めない(アンボタンマナー)
- ウエストコートの裾からシャツやベルトが見えないようにする
- 革物(シューズ、ベルト、腕時計のベルト、バッグ)の色は統一すると美しい
- ネクタイはプレーンノットかセミウィンザーノットで結ぶ
- ネクタイはネイビー無地が最強
- 腰ポケットのフラップは、屋外なら出して屋内なら内側にしまう
- ポケットチーフは白のリネンを持っておけば万能。ネクタイと色を揃えなくてOK
重要な順番で並べています。サイズ感は特に重要で、大きすぎるとだらしなく、小さすぎるとチャラく見えてしまいます。例えトレンドがリラックスフィットであっても、ビジネススーツにおいては取り入れるべきではありません。また、できればオーダースーツをオススメします。既製品のスーツでは、肩幅で合わせると着丈が合わないなど、個人の体型の特徴に完璧に合わせることができませんが、オーダースーツであれば可能です。安価なパターンオーダーであれば5万円程度で作れるところもありますので、オーダーをオススメします。
【ドレス度70%】 ビジネスカジュアル


ビジネスカジュアルとは、ビジネスシーンにおいて「スーツほどフォーマルではないが、清潔感やきちんと感を保つ必要がある場面」で着る服装です。社内外のカジュアルなミーティングや、スーツが不要な職場環境での日常的な服装として適しています。典型的なものとして、ジャケパンスタイルがあります。スーツよりも自由度が高いので、色合わせや素材合わせで失敗しやすいです。基本ルールと共に、着こなしのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
5つの基本ルール
- ジャケットの下は襟付きの長袖シャツ。ノータイの場合はボタンダウンシャツでもOK
- シャツのボタンはタイドアップの時は全部留める。ノータイの場合は第一ボタンのみ外してOK
- ジャケットはスーツのジャケットを使い回さない。ブレザーでもOK
- ボトムスはウールのトラウザーズがベスト。チノパンでもOKだがデニムは避ける
- 革靴であればローファーなどの紐なし靴でもOK。茶靴OK。スニーカーは避ける
着こなしのポイント
- ジャケットとパンツは同色を避ける。ネイビージャケットにグレーパンツが間違いがない
- 柄は無地かグレンチェックにする。全て無地で揃えるのが無難だが、ボトムスのみグレンチェックにするのもオススメ。柄on柄は避けること。
- ジャケットとボトムスの季節感・素材感を合わせる。
【ドレス度60%】 オフィスカジュアル



3つの基本ルール
- ジャケットを羽織っていればインナーはカジュアルでOK。ただしプリントTシャツは避ける
- 襟付きシャツやポロシャツを着ていればアウターがカジュアルになってもOK
- ボトムスは職場で許される場合はデニムでもOK。ただしダメージデニムは避ける
着こなしのポイント
ドレス寄りアイテムを半分程度取り入れるとうまくいく。例えば、アウター、インナー、ボトムス、シューズの4アイテムであれば、4つのうち2つはドレス寄りアイテムにしておく。具体的には、アウターにジャケット、シューズに革靴を使うのであれば、残りはTシャツとデニムといったカジュアルアイテムでも綺麗に見える。
【ドレス度0〜50%】 カジュアル


カジュアルには基本ルールはなく、自由にアイテムを組み合わせてもOK。上下ジャージやスウェットなどのドレス度0のスタイルや、パーカーやカーゴパンツ、チェックシャツを使ったアメカジスタイルなどがある。
まとめ
スーツ、ビジネスカジュアル、オフィスカジュアルなど、ドレス寄りファッションには色々な区別があって難しく感じると思います。また、ここで紹介したことが絶対のルールではなく、皆様それぞれの職場のルールや慣習、雰囲気に合わせることも重要になってきます。ここで紹介したそれぞれの基本ルールと着こなしのポイントを押さえた上で、適宜アレンジしてみてください。TPOに応じて適切なドレス度で、カッコよく決めちゃいましょう。迷ったときは、この記事を見返していただけると幸いです。