Edward Green Chelsea

ファッション

靴好きなら誰もが憧れるブランド、エドワードグリーン。その中でも、不動の人気を誇るストレートチップ『チェルシー』をついに手に入れました。シンプルながらも圧倒的な存在感を放つこの一足。名門シューメーカーならではの精巧な作り、エレガントなシルエット、そして履き心地の良さはまさに別格。なぜこれほどまでに愛され続けるのか?今回は、実際に手に取ったからこそわかる魅力をじっくりレビューしていきます。

商品概要

エドワード・グリーンとは

エドワード・グリーンは、1890年にイギリスのノーサンプトンで創業されたシューメーカーです。創業者のエドワード・グリーン氏は、瞬く間に「英国でも稀有な天才靴職人」として名声を博しました。グリーン氏の明確な哲学「Excellence without compromise(妥協なき卓越性)」は現代まで受け継がれており、最高品質の素材と伝統的な職人技によって、世界屈指のドレスシューズを生み出し続けています。エドワード・グリーンは、ジョンロブやガジアーノ&ガーリングと並ぶ英国靴の最高峰として知られており、エレガントなデザインと美しいシルエットが特徴です。

チェルシーとは

チェルシーは、エドワード・グリーンを代表するモデルの一つで、内羽根ストレートチップという紳士靴の王道と言えるタイプの靴です。色はブラックとダークオークから選べますが、特にブラックは冠婚葬祭からビジネスまで完璧に対応することができ、まさに“英国紳士の正統”を体現する一足といえます。また、チェルシーはグッドイヤーウェルト製法で作られているため、オールソールをしながら長く愛用することができます。

価格は2025年2月現在で¥21,7800(税込)ですが、さらに値上げがされるアナウンスも出ています。今後も値上がりし続けるかどうかは分かりませんが、長期の着用が前提なら早めに購入しておくのも良いかと思います。

デザインとディテール

アッパー

画像の左側がREGAL 01DRCD、右側がチェルシーですが、並べてみると形状の違いが良く分かります。チェルシーの『インサイドストレート&アウトサイドカーブ』と呼ばれている、内側が真っ直ぐなラインなのに対して外側が曲線を描く形状も、真上から比較すると分かりやすいですね。その他にもトゥキャップがチェルシーの方が小さかったり、履き口の大きさなども違っており、見た目の印象は結構違います。

やはりチェルシーの外観にとって大きな特徴となっているのは、『スワンネック』と呼ばれるステッチの形状でしょう。ブーツでは良く使われていたデザインを、チェルシーが初めてストレートチップに採用したとされています。今では真似をするメーカーが出てくるほど定番化したデザインですが、元祖のチェルシーだからこそ出せるオーラがあると思います。ヴァンプステッチと流れるように繋がるスワンネックは、シンプルに美しいと感じます。

ソール

チェルシーのレザーソールには、オークバークレザーが使用されています。オークバークは、オークの木のチップを使って鞣された革です。植物タンニンで一年以上かけて鞣されるため、耐久性と耐水性が非常に高い革となります。履き始めはやや硬めですが、履き込むことで足裏に吸い付くような感覚に変わっていくと言われています。ソールを叩いたときもコン、コンと剛性の高そうな音がします。

また、つま先部分はナチュラルカラーで、ウエスト部分を黒く染めた半カラス仕上げが施されており、見た目もエレガントで非常に美しいです。ソールの縫い目を隠す縫製方法であるヒドゥンチャネルと併せて、見た目にも非常に美しい洗練されたソールに仕上がっています。

ラスト

ラスト(木型)は現在、202と82から選択できます。私が購入したのは202ラストで、英国靴らしいクラシカルで丸みを帯びたトゥ形状が特徴となります。202ラストはポルシェ911からインスピレーションを得てデザインされたと言われていますが、側面から見た形状も流れるような動きを感じるデザインで非常に美しいです。202ラストはクラシックでありながら時代に左右されない普遍的なデザインで、エドワードグリーンを代表するラストとなっています。

82ラストは、202ラストと比べて少しシャープになったシルエットで、モダンで都会的な印象です。82ラストは、2005年にトニー・ガジアーノ(翌2006年にガジアーノ・ガーリングを創業)によってデザインされました。エドワードグリーンのクラシックな要素を残しつつ、トニー・ガジアーノ氏のデザイン哲学が反映されたモダンなラストとなっています。

革質

チェルシーのアッパー素材のブランドなどは公表されておりませんが、非常に質の高いカーフレザーが採用されていることが分かります。写真は左側がREGAL 01DRCD、右側がチェルシーですが、チェルシーの方がよりきめが細やかで、サラサラだけどもっちりとした質感です。光の反射具合を見ても、チェルシーの方が粒の細やかな反射になっています。REGAL 01DRCDはアッパー素材にアノネイ社のベガノカーフが使用されており、こちらも革素材としては上質なものになります。ですがチェルシーはより高いグレードの革を用いているか、仕上げが違うか、01DRCDよりもきめ細やかでしなやかな革素材となっております。

サイズ感と履き心地

足実測値と各ブランドのサイズについて

私の足サイズは、足長: 245-250mm、足囲: 22.5-23.0mmです。チェルシー202ラストは7Dがジャストサイズでした。

  • Edward Green Chelsea 202: 7D
  • JM WESTON #180: 5ハーフD
  • Crockett & Jones: 6ハーフE
  • REGAL: 25.0cm
  • SCOTCH GRAINローファー: 24.5cm

チェルシーの履き心地

チェルシーの履き心地の特徴は、包み込まれるようなフィット感です。Crockett & Jonesと比べても、圧倒的に心地のよい包まれ感がありました。特に土踏まず部分まで優しくカバーされる感覚は、今までに味わったことのない感覚です。また、歩いたときもしっかりと踵がついてきてくれます。ローファーにおいてJM WESTON #180で味わった感動と似たような感覚がありました。”靴を履いている”というよりも、”足が包まれている”と表現したくなる履き心地です。これから履き馴染んでいくとどう変化していくのかが楽しみです。

まとめ

エドワードグリーンのチェルシーは、英国靴の中でも最高峰に位置するストレートチップシューズです。シンプルなデザインながら、その作り込みの精巧さや履き心地の良さは、多くの紳士を魅了し続けています。私も例に漏れず、どっぷりと魅了されてしまいました。価格は高額ですが、一生物の一足としていかがでしょうか。

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